WRAP(元気回復行動プラン)について

Wellness Recovery Action Plan


WRAP(Wellness Recovery Action Plan:元気回復行動プラン)は、1997年にアメリカでメアリー・エレン・コープランドさんを中心に、精神症状から立ち直った120名の方を対象に闘病中の生活の工夫などをたずね、その結果をもとに考案され、現在の形になってきました。

 

毎日を元気ですごすため、気分がすぐれないときに元気になるためのプランを、ひとり或いは仲間と協力しながら自分自身でつくります。

 

▧ 元気に大切な5つの重要な考え(キーコンセプト)

 ・希望の感覚

 ・主体的に生きること(自分に責任をもつこと)

 ・自分のために学ぶこと

 ・自分のために権利擁護すること

 ・相互的なサポート

  

▧ WRAPのつくりかた

はじめに「元気に役立つ道具箱」をつくります。

毎日元気で健康に生活するためにできることのリストを自分でつくるのです。

このリストには、よい気分でいるために、また元気を出すためにできることを書き出します。

これらのリストを使って、自分のWRAP(元気回復行動プラン)をつくります。

 

WRAPは6つのプランから成り立っています。

 ・日常生活管理プラン

 ・引き金になる出来事に対処するプラン

 ・注意サインに対処するプラン

 ・調子が悪くなってきているときのプラン

 ・緊急状況への対応

 ・緊急状況を脱したときのプラン

 

これらのプランは、ひとりでつくることもできますし、サポーターと一緒にたてることもできます。WRAPクラスに参加して仲間と一緒に考えることもできます。

 

 

▧ WRAPクラス

20名以下の参加者が集まって行われます。WRAPクラスは参加者がキーコンセプトやプランなどに対するアイデアをお互いに出しあい学び合う場で、WRAPファシリテーター(進行役)とともに行われます。ファシリテーターは参加者が安心してクラスに参加し、それぞれのWRAPをつくるためのサポートを行います。


リカバリーとやまでは、年に数回、2~3日の日程でWRAP集中クラスを企画しています(開催の日程は、ホームページ上でご確認ください。また、会社やグループなど、数人の方に呼びかけていただければ(クラスの開催にあたって5~15名程度の人数がいると豊富なアイデアがでてきます)、出張クラスや講演も承ります。


WRAPはひとりでも作ることができます。WRAPに関する書籍等を購入して取り組んでみたけど、理解にしくい箇所があるなどのご質問があればお気軽にお問合せください。WRAPは「唯一の正しい答え」があるものではありませんが、現在のところまで私たちが理解しているWRAPに関する知識や経験についてお伝えできることもあるかもしれません。



WRAPファシリテーターになるためには

アメリカでラップの普及と研修の責任を担うコープランド・センターは、ラップクラス(グループ)の進行役を務めるファシリテーターは、5日間のファシリテーター養成研修を修了することを求めています。日本でもコープランド・センターが定めた様式を取り入れています。養成研修では、ラップの価値と倫理、クラス(グループ)の進め方など、ファシリテーターをするときに大切な事柄について、対話や実技演習を通して学びます。